"私的"知的好奇心
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2008-08-20
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暗号解読(上)(下)
暗号解読 上巻 (1) (新潮文庫 シ 37-2)
暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)
すでに多くのところで書評されていますが、文庫になったことですし。
やっぱりスゴかった。
サイモン・シン、青木薫のタッグは最高ですね。
フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
も、相当惹きつけられたが、こちらもすばらしいの一言。
サイモン・シンと青木薫のタッグの素晴らしさは、ともに物理学の博士号を有するというお二人のバックボーンと、文献等の詳細な分析は勿論のこと、現存する人物にはことごとくインタビューを行っていることに裏打ちされています。
ものすごい事をやってのけた人々の苦しみ、そして解決をみたときの歓喜が実体験の様に伝わってきます。
サイモン・シンの文書は「人」に向かっています。登場人物の伝記を通じて、結果的に暗号について知る、という様な感覚になります。
登場人物の人となりを知った上で、「この人だからこそ(難題の解決が)可能だったのかな。」と思わせてくれます。
そろそろ具体的な話にはいると、
上巻は、ざっくりいうと、古代の暗号からエニグマまで。
下巻は、ロゼッタストーン解読と、公開鍵暗号から量子暗号まで。
特に、上巻では、エニグマについての記述が圧巻です。エニグマは、第二次大戦中にナチス・ドイツが用いた暗号(機)として余りに有名ですが、そのエニグマの構造についてイラスト等を総動員して、「これでもか!」というくらい詳細に説明しています。
それは、青木薫さんが、訳者あとがきでおっしゃっているとおり、「これを読んでおけばエニグマがつくれるのではないか。」と思わせてくれるほど。
下巻で触れられている「公開鍵暗号」については、現在最もよく耳にする暗号の一つだと思うが、この誕生をめぐってのドラマは知らなかったし、かなり興味深いです。
本書を通じて、ただ、やるせないのは、暗号解読者あるが故の宿命というのか、暗号解読者の業績が世に知られるのが、「暗号が暗号でなくなったとき」であることが多いということです。
つまり、暗号を使う者は、「暗号が解読された」と認識するまでは暗号を使います。必然的に、解読者は、間違っても、解読に成功したことを公に出来ない。(ロゼッタストーンの解読などは例外ですが。)暗号を変えられてしまっては、また振り出しから解読に向かわねばならないから。
特に、戦争の場合はそうです。
時には、国を守り、救った知られざる暗号作成者・暗号解読者の誇り高き仕事ぶりをどうぞ。
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2007-10-19
書評
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