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自分の感受性くらい

    自分の感受性くらい
「自分の感受性くらい」 茨木のり子


 「ガツン」とくる詩。

 有名な詩なので、ご存知の方も多いはず。

 きっと問題はあるのでしょうが、詩全体は、ネットで検索すれば、かなりヒットしてしまいます。

 この詩をはじめて読んで、頭をハンマーで打たれた様な衝撃を受けました。
 衝撃を受けない方は、相当意志が強く、これまで妥協したり、諦めたりした経験がない方なのでしょう。

  〜〜
  駄目なことの一切を
  時代のせいにはするな
  わずかに光る尊厳の放棄
  〜〜
 この詩の一部です。引用させて頂きます。

 最初読んだときは、「駄目なことの一切を時代のせいにはするな」という部分に注意がいき、「その通りだよなぁ」程度に思っておりました。
 「わずかに光る尊厳の放棄」については、よく意味が分からず、それ程深く考えませんでした。

 しかし、この詩は、作者が戦時中に着想を得た詩なんだそうです。

 これを知って、詩の読み方が変りました。

 戦時という時代。「時代」を、特に「戦争」に置き換えてみれば、駄目なことの一切を「戦争」のせいにするな。

 なんて強い決意なんでしょうか。

 そして、「わずかに光る尊厳の放棄」。

 尊厳とは、自分の考えや思想などを含めた「自分らしさ」という事になるのでしょうか。

 戦争が押し付けてくる価値観や雰囲気。強制的に徴兵され、その家族は喜んでおくりだす。 戦争に行って死ぬことが美徳、戦争で戦うことは立派なことだ・・・。
 個人の自由が極度に制限された時代です。やっては「駄目」、考えては「駄目」なことが多かった時代です。

 この時代にあって、なお、「駄目なことを時代のせいにするな」それは、「尊厳の放棄」だと。

 この詩を読んで、怒られている様な感じを受けた方々も、
 戦争という状況の中ですら、時代のせいにするな、と言い、人の尊厳を見つめた作者の心を感じた時、起こられているどころか、励まされているという感じにすらなるのでは?


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